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       安藤ハザマ:自社製作の新ブレース工法!    2022.10.26.
            
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既設ビルの耐震改修にも
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 安藤ハザマは、地震時に建物の変形を抑制するローコストのブレース工法を紹介した。
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 安藤ハザマ独自のブレース工法は、神奈川大学 岩田衛教授の指導を受けながら開発した「座屈拘束ブレース(AH-BRB)」。一般的にブレースは、梁や柱などの間に鉄骨を筋交いに交差させることで、建物全体の剛性を高め、地震が発生した際の揺れを低減させる働きがある。
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 ブレースで使う重量鉄骨製は、大きな圧縮力を受けると、ブレース自体にたわみが生じ、不安定な挙動になってしまう。
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 この問題点を改善すべく実用化したのが、安藤ハザマの座屈拘束ブレース(AH-BRB)で、圧縮力を受けても引張力を受けた場合と同様に、安定した耐震性能を発揮する。
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 この構造は、コの字形の拘束鋼材にコンクリートを充填し、芯材とスペーサーを間に入れて、上から座屈拘束材で覆い被せて溶接で一体化させる。拘束鋼材を2分割した状態でコンクリートを間に流し込むため、構造性能で重要とされるコンクリートの充填性を目視で確認できるため、安定的な品質確保につながる。
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 安藤ハザマの担当者は、「既にS造をはじめ、柱RC造と梁S造のハイブリッド、CFT造のオフィスビルや工場、物流施設などに適用されている。新工法のメリットは、建材メーカーに発注することなく、自社工場でコンクリを打って、ならし、接合して製作するため、コストの大幅な削減が見込める。今後は、新耐震基準に適合していない既設ビルや柱・梁を太くしたい新設案件にも提案していく」と話す。
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 座屈拘束ブレースは、2017年に構造試験で性能が確認され、日本建築総合試験所の建築技術性能証明(GBRC 性能証明 第17-04号)を取得している。実物件の導入では、2018年に埼玉県川越市南台で新設した柱RC・梁S造の物流施設「MFLPプロロジスパーク川越」に採用されている。
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