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2023.01.10
 
フジタ・山岳トンネル:AI機能つき積込み機開発!   
            
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20%の省人化を実現!
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2022年08月02日、フジタは、三井三池製作所と共同で、山岳トンネルにおける掘削ズリ(掘削によって発生する岩塊)だし作業の省力化と省人化を実現するAI機能搭載の積み込み機「AIロックローダ」を開発した。なお、AIロックローダのように、自動で掘削ズリのかき込みと積み込みが可能な機械の開発は国内初だという。
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<ズリのかき込みから積み込みまでの一連作業でオペレーターを不要に>
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 山岳トンネルの施工は、発破やズリだし(積込み,運搬)、支保工の順に作業を行う。とくに、ズリだし作業は、使用する大型ダンプの台数やトンネル内外への運行サイクルなどの影響で、次工程の支保工作業まで長い時間を要し、積み込み機械(ホイールローダやバックホウ)に乗車するオペレーターの拘束時間も長くなる。
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 従来の施工方法では、運搬機械(大型ダンプや連続ベルトコンベヤー)の改造・改善などを行うことで、ズリだし作業の効率化を図ってきたが、ズリだし作業をより省力化するために、フジタはAIロックローダを開発した。
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 AIロックローダは、発破後に切羽から運搬されたズリをかき寄せる「掘削ブーム」や機械後方へ直接ズリを排出し、大型ダンプなどに積み込みを行う「排土ベルコン」、機械運転席前方に配置したセンシング機器、GPU盤(AI自動運転盤)などで構成される。
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「AIロックローダ」の概要(左)と自動ズリ積み込み施工(右)
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 作業手順は、まず、AIロックローダを切羽の後方に設置する。次に、発破後のズリをAIロックローダの前方に仮置きした後、大型ダンプなどの運搬機械へAIロックローダにより掘削ズリを自動積み込みすることで、省力化・省人化を図る。
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「AIロックローダ」の施工状況(左)とAIセンサーの検知画面(右)
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 特徴は、AIによりズリのかき込みから積み込みまでの一連作業がオペレーター不要で行え、省力化と省人化を実現する点。さらに、発破後の切羽ズリを迅速に処理し、切羽作業エリアで速やかに次工程(支保工作業)が行えるようになるため、トンネル掘削の効率化を達成する。
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 具体的には、AIロックローダは、AI自動運転によりズリのかき込みと積み込みが行え、20%の省人化を実現し、AIセンシングで人や機械の検知と自動停止に応じ、安全性も高い。加えて、AI運転モード、半自動モード、手動モードの3種類から操作方法を選べる。
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 既に、フジタは、徳島県小松島市櫛渕町久ヶ谷~阿南市羽ノ浦町岩脇猪ノ谷地先で施工を進める「羽ノ浦トンネル工事」の現場にAIロックローダを導入している。その結果、AIロックローダの採用により、トンネル発破後の切羽作業エリアで、次工程の支保工作業へ円滑に移行した。また、ズリ積み込み作業のオペレーターが必要なくなり、20%の省人化を実現し、省力化につながった。
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 今後は、さまざまな運搬方式のトンネル工事へ適用することを踏まえ、AIロックローダの導入を進めていく。
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