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   2024.04.11.
  赤字続く近江鉄道線:「公有民営」で再出発! 
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ICOCA導入・沿線協力で目標「年間473万人」!
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 近江鉄道(本社・滋賀県彦根市)が運行する近江鉄道線が4月1日から上下分離(公有民営)方式の運営に移行したのを記念し、沿線自治体の首長ら関係者が4月6日、滋賀県米原市内で出発式を開いた。
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 県や沿線10市町でつくる一般社団法人「近江鉄道線管理機構」が鉄道設備の保守管理費を負担し、同社が運行に専念することで、今後10年かけて利用者を増やし、路線の存続を図る。
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 近江鉄道線は1898年に彦根―愛知川で運行を開始。現在、米原―貴生川の本線、八日市―近江八幡の八日市線、高宮―多賀大社前の多賀線で計59・5㎞、33駅を擁する。年間の利用者数は、1967年度の1126万人をピークに自動車の普及などの影響で減少し、94年度以降、営業赤字が続いている。
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 同社は2016年度に「自社の経営努力での事業継続は困難」として、県に存廃の議論を申し入れ、県と沿線10市町などでつくる法定協議会で20年12月、上下分離への移行が決定。今月1日付で、上下分離により、33年度までの10か年で経営を改善して鉄道事業の存続を図る「鉄道事業再構築実施計画」が国土交通相に認定され、正式に移行した。
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 今後は同機構が線路や車両、駅舎などの設備を保有・管理を担うことで、同社が運行に専念することが可能になる。22年度の同社の鉄道事業は2億1400万円の赤字だったが、10年間の保守管理費など計141億円については同機構が国の補助金も活用して負担する計画となっており、今年度から赤字は解消する見通しだ。
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 同社では、年間利用者数について22年度の40万人増となる473万人を目標としており、交通系ICカード「ICOCA(イコカ)」導入で利便性を高めるほか、沿線自治体と協力して乗客増に向けた取り組みを進める予定。イコカ導入の関連費5億6000万円などの支出も見込む。
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 10市町の首長のほか、斉藤鉄夫・国土交通相ら約200人が出席した6日の式典で、三日月知事は「市町とともに公共交通の利用を促進することが、持続可能な街づくりにもつながるモデルとして全国に発信したい」とあいさつ。斉藤国交相は「地方の公共交通は大変厳しい状況。近江鉄道線が、複数自治体にまたがるローカル鉄道再構築のリーディングモデルになるよう、後押しする」と述べた。
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