. 
 
アクセスカウンター
   2024.04.15.
  信越化学:56年ぶり群馬新工場・投資額約800億円! 
   .
2026年に完成!
.
.
 信越化学工業が半導体材料の「フォトレジスト」を生産する工場を群馬県伊勢崎市に新設することが4月8日、分かった。投資額は約800億円で、2026年に完成する計画だ。国内で新たな生産拠点を設けるのは、塩化ビニール樹脂などの拠点として1970年に完成した鹿島工場(茨城県神栖市)以来56年ぶりとなる。
.
 国内の半導体産業のサプライチェーン強化を目指す。フォトレジストは半導体の回路形成に用いる薬剤。信越化学は台湾と直江津工場(新潟県上越市)で生産しており、21~22年にそれぞれ増強した。伊勢崎市に計画する新工場は半導体材料の戦略的な拠点と位置づけ、今後は研究開発も手がけるとみられる。
.

【信越化学、国内で新拠点を設営】2024.04.09
半導体露光材料で第四の生産拠点
.
信越化学工業株式会社(本社:東京、社長:斉藤恭彦)は、半導体露光材料事業の拡大に向け、同事業で四番目の拠点となる工場を、群馬県伊勢崎市に建設することを決定しました。
.
当社は同市内に約15万㎡の事業用地を取得し、その用地に半導体露光材料の製造及び開発拠点を建設します。新工場の建設地については、複数の候補地を検討した結果、群馬県および同県伊勢崎市の斡旋も受け、この用地を選定しました。当社はこの新工場における投資を段階的に実施する計画で、第一期の投資は2026年までの完工を目指します。投資金額は第一期完工の段階で、事業用地の取得も含め約830億円を見込み、全て自己資金で賄います。
.
当社は1997年にフォトレジスト事業を立ち上げ、直江津工場(新潟県)で当時の最先端のKrFフォトレジストの生産を開始。その後、フォトマスクブランクス、ArFレジスト、多層膜材料、EUVレジストなどの半導体露光材料を相次いで開発に成功し事業化してきました。2016年には同事業の第二の生産拠点を福井県に、2019年には第三の生産拠点を台湾雲林県に設け、製品の安定供給を果たしてきました。
.
半導体露光材料は、先端半導体の製造に不可欠な材料として需要が伸長しており、品質への要求も高度化し続けています。顧客からの強い要請に応えるため、事業継続の観点からもリスク分散を図ることが可能な第四の生産拠点の新設を決定しました。当社はこの地を半導体材料の先進拠点として位置付け、将来は研究開発を含む半導体露光材料ほかの拠点として拡大させていく構想です。
.
本件では群馬県と伊勢崎市から全面的なご協力いただきましたことに深く感謝いたします。信越化学は、今後とも顧客と社会の期待にお応えするため、新拠点と半導体露光材料事業の発展に注力してまいります。
.
以上
.
.
 半導体向け材料の分野で、非常に高いシェアを持っている日本。「フォトレジスト」の世界シェアは約9割。
.
 一つの半導体の大きさは、数mm~10数mm角。そこにトランジスタや抵抗、コンデンサなどのさまざまな素子を組み合わせて電子回路をつくることで、データの演算や転送、記憶保持など、用途に応じた機能を持たせることができます。今では、パソコンはもちろん、スマートフォン、各種家電、自動車や航空機など、あらゆるモノに搭載されていると言っても過言ではありません。さらに、交通や金融、電気・ガス・水道などの社会インフラのシステムにも利用され、私たちの暮らしはもはや半導体なしには成り立たなくなっています。
.
 フォトレジストは特定の光の波長領域で反応するよう設計されるため、光源が変化すると、それに応じたフォトレジストを開発しなければならない。1960年代後半以降、日米の半導体メーカーが激しく競り合う中、日本には半導体メーカーや製造装置メーカー、原材料メーカーなどがそろっていた。
.
 このためエコシステムがつくりやすく、しかも日本の得意なチームワークやきめ細かい管理手法が有効な“すり合わせ”が生かせる分野だったこともあり、優れたフォトレジストの開発・生産技術を確立。以降、製造には長年蓄積したノウハウが必要で、また機器メーカーも採用後に代替品に変えるには工程を再検証しなければならないなど、新規参入の壁が高いこともあり、世界を席巻していきました。
.
 経済産業省は市場規模が2030年に約100兆円にも達すると予測。同時に、半導体材料の需要も伸びている。今後、高性能半導体の露光には、より短波長のEUV(極端紫外線/波長13.5nm)が光源として使われるようになるため、EUV用レジストへの置き換えが進みます。また、KrF用レジストはArF用レジストへの切り替えが進み、どちらの分野でもフォトレジスト市場は大幅に拡大しそうです。
.
.
レジスト 2024年3月(%は占有率、売り上げは発表している分)
1 ナガセケムテックス㈱  29.1% 売上高 約260億円
2 株式会社シミズ      19.5%
3 JSR株式会社        9.6% 売上高 4089億円
4 東京応化工業株式会社  9.3% 売上高 1,622億70百万円(連結)
5 信越化学工業㈱      8.3% 売上高 2兆8088億
6 富士フイルム エレクトロニクスマテリアルズ㈱ 7.6%
7 オプトシリウス株式会社  6.8%
8 株式会社アサヒ化学研究所     5.7%
9 日本カンタム・デザイン株式会社  4.0%
.